「葵、南と話してないで、ちゃんと手伝って」
「あ、ごめんね、葉月。
でも、二人ともよく似合ってるね」
「ありがとう」
「この格好なのに誉められたって嬉しくねーよ…」
「ふふふ」
「葵も、よく似合ってるよ」
「ありがとう」
「じゃ、後もうちょっとしたら休憩に入るから、それまでがんばろ」
「うん」
頷いてから、私たちはまた動き始めた。
それから30分。
「おーい、交代の時間。
東月たちは休憩してきていいよー」
クラスの松浦くんが言ってきた。
「あっ、うん。
わかった、ありがとう」
「うん」
そう告げてから、私と琉衣は制服に着替えに隣の教室へ行った。
……――。
「あ、南、葉月〜」
「あぁ、葵」
「葉月たちも着替えたんだね」
「当たり前だ。
あんな格好で出歩けるか」
「ハハハ、南結構いいと思うんだけどね」
「……」
あれ?
「お、俺より、葉月の方が絶対いいだろ…」
プイッとそっぽを向く南は、なぜか顔が赤くなっていた。
もしかして照れてるのかな?
そう思うと、何だか可笑しくなった。
「ねぇ、屋台見に行かない?
もうお昼だし、私お腹空いちゃった」
手をお腹に当てて撫でる琉衣は、力が抜けたような顔をしていた。
「そうだね。
じゃ、行こっか」
「うん!」
私たちは四人で文化祭を回ることにした。



