そんなこんなをしつつ、日は徐々に過ぎて行った。
そして文化祭当日。
「うわ〜!」
まるでお祭りみたいに、周りは華やかで賑やかだった。
廊下から外を見ると、一杯屋台が出ている。
「南、後で食べに行こう!」
テンションが上がっている私は、南に笑顔で言った。
すると南は少し頬を赤く染めて
「あ、あぁ…」
と小さい返事をした。
「おーい。
葵、南、服着替えろー」
「あ、は〜い」
教室から葉月に呼ばれて、私は隣の空き部屋へ向かおうと体を回した。
「じゃ、南、また後でね」
「あぁ…」
一言南に告げて、私は空き教室の中に入った。
…どうしたんだろう南。
何だかボーとしてるみたい…。
気になりつつも、用意された服に着替えて、髪を結んだ。
「いらっしゃいませー」
私たち、メイド&執事喫茶は結構人が来ていた。
まぁ、男女逆転してるから、ビックリする人もいるけど…。
でもそれがうけたみたいで、お客さんの入りも順調。
私も「カッコいい」とか言われたりしてる。
『カッコいい』だけど、結構嬉しいかも…。
琉衣もお客さんから『カッコいい』だの、なんだの言われてる。
けど、私的に一番ビックリだったのは…。
「…おい、こんな所で突っ立ってんなよ」
「あ、ごめん…」
後ろから声がして、謝りつつ振り向くと…そこには南がいた。
「みな…」
「…んだよ」
「いや、何でもないんだけど…ぷふっ」
「あっ、お前今笑ったな!?」
「わ、笑ってない…ハハハ」
「笑ってんじゃねーか」
「ご、ごめん…」
何度見ても見なれない。
特に南と葉月は…。
この二人に関しては、似合い過ぎて笑えてしまう。
南は「可愛い」って言われるけど、「はぁ?可愛いとか言ってんじゃねぇよ…」みたいな、ツンデレキャラじゃないけど、ツンデレキャラとして人気がある。
葉月は、普通にお客さんに接してるものの、もう見た目が美し過ぎて大人気…。
女の私が言うんだ。
実際に葉月の女バージョンがいたら、きっとモテモテだったろう。
いや、男の葉月でもモテモテなんだけどね…。



