前のめりに落ちていこうとする葵。
このままじゃ危ねぇ!
俺は反射的に後ろから葵の腕を引っ張って自分側に引き寄せた。
その勢いで自分も尻餅をつく。
「いて…」
俺の膝の上に乗っかった葵を見てみると、ジュースの缶を3本抱いたままポカーンとしていた。
「おーい、葵。
大丈夫か?」
「……へ!?
あ…うん、大丈夫…。
ごめん!
ありがとね、南!」
自分の状況にやっと気づいたのか、葵は慌ててピョンと跳び跳ねて俺の上から降りた。
俺も立ってパンパンと尻に付いた砂を叩き落とす。
「たく、ホントお前は危なっかしいな。
いったそばからそうそう…。
…っておい、聞いてるか?」
「え?
あ、うん、ごめん…」
葵の顔を覗き込むと何故か顔が赤かった。
暑さのせい…?
とも思って何気なく葵の額に手をそえてみる。
するとまたみるみるとまたたく間に赤面していった。
「大丈夫か、葵?
熱でもあるのか?」
「ち、違うよ!
だ、大丈夫だから放して!」
そう言って腕をはたかれる。
「……!?」
葵にこんなことされるのは初めてで、少し動揺してしまった。
けどすぐ「ごめん」と謝ってきて…
「み、南に触られると何かドキドキする…」
とだけ言って行ってしまった。



