もう時間がないんだ。
いそがなきゃ・・・。
私は葉月に借りた短パンをはき、助走をつけて柵に向かってジャンプする。
無事、乗り越えて見事に着地。
「ま、俺たちなら当然だな!」
「まったく・・・」
「ははははは・・・」
「お前が笑ってんじゃねぇよ。
誰のせいでこうなったと・・・」
「ごめんなさい・・・」
「ほら、葵も反省してることだし、早く体育館行くぞ」
またも葉月になだめられて終わる。
「たく、葉月はこいつに甘すぎんだよ・・・」
「そうかな?」
「そうだろ」
「私はそんな葉月が好きだけどね!」
「・・・俺よりもかよ・・・?」
「え?」
「なんでもねぇ!」
南の声が小さくてよく聞き取れなかった。



