「・・・やっぱりな」
「え?」
「ほら」
困っているとどこからか、葉月が紺色の体操服短パンズボンを出してきた。
「は、葉月何これ・・・」
「葵のことだから、遅刻してこんなことになるんじゃないかって思ってたんだ。
持って来てて正解だったな」
ハハハハと笑うと、葉月のであろう短パンを私に渡してきた。
これをはけってこと?
そりゃぁ長年の付き合いだから男子の物を使うのは嫌、とかはないけどさ・・・。
「これ葉月のでしょ?
私にはぶかぶかだよ・・・」
「しょうがないだろ?
これしかないんだし・・・」
「そうだけど・・・」
「おい、早くしろよ二人とも!
マジで式に遅れるぞ!」
向こうで焦って怒鳴る南。
まったく、こういう行事ものだけにはやけに熱いんだから・・・。
「わかった。
これはくよ」
「そう。
じゃぁ俺先に行くな」
にこっと笑った後、葉月も軽々と柵を越えて行った。



