そうだ。
葉月の手も握れば、葉月に置いてかれることもないし、怖さももう少し減るかも…。
そう思った私は、空いてる右手で葉月の左手を掴んで握った。
葉月は何も言わなかったけど、優しく握り返してくれた…。
「わぁ〜!」
暗い中から明るい外へ出ると、暗さに目が慣れてしまっていたせいか、外が眩しく感じた。
「怖かった〜」
「そうか?
わりと普通だったぜ?」
「葵、すごい叫んでたな」
クスクスと笑う葉月。
「だってホントに怖かったんだもん…。
でも、二人と手繋いでたから、怖さも少しなくなってたんだ。
ありがと!」
二人に笑顔で言うと、南は
「二人…?」
と首をかしげていた。
そんな南に、私と葉月が笑う。
…お化け屋敷は怖かったけど、二人がいてくれるならたまにはいいかもね…。



