「適当でいいから、バスに乗り込めー」
私と南、葉月は一番後ろの席に座った。
「みんないるか?」
「「はーい」」
「じゃ、行くぞ!」
バスは私たちを乗せて、出発しだした。
「着いたー!」
着いた場所は意外と大きいな遊園地!
「じゃぁ、ここに4時集合な!
昼は各自で取れよ!
解散!」
そう言って先生はそそくさと何処かへ行ってしまった。
「先生って、ホント適当な人だよね…」
「いいんじゃね?
そっちの方がいろいろ楽だしな!」
「南はサボッてても怒られないからだろ?」
「まぁな!」
ハハハハと笑って進んでいく南に、私と葉月ははぁーとため息をついた後、お互い顔を見合わせて小さく笑った。
「…なぁ、どれから乗る?」
「うーん、この近くだとこれか…?」
「そうみたいだね」
遊園地の地図を広げて現在位置と、今1番近いジェットコースターを調べていた葉月を挟んで、私と南も覗いていた。
「じゃ、ここで決まりだね」
「おぅ、…葵」
「ん?」
「恐くて泣くなよ?」
「また南バカにして〜!」
「はははは!」
「も〜、葉月まで笑わないでよ〜」
ぷぅっとほっぺを膨らますと、二人は面白そうにつついた。
「次の方、どうぞ」
係員の人に案内されて席に着く。
じゃんけんで勝負した結果、私の隣は…南だった。
「南か〜」
「…何だよ、俺じゃ不満なのか?」
「…別に」
意地悪そうな笑顔で言うと、南も意地悪そうに笑って私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「も〜、南乱暴すぎ!」
「ははは、変な頭!」
そんなこんなをしてる間に、安全バーが降ろされ、ジェットコースターは出発していた。
…まぁジェットコースターには3人でよく乗って乗りなれてるし、泣くとかあり得な…。
え、ちょっと待って。
この坂長くない?
いつもならもう下ってるぐらいなんだけど…。
まさかこれっ…!
私はとっさに平然と隣に座っている南の手を掴んだ。
「……!?」
いきなりで南は驚いていたけど、気になんてしてられない。
すでに下るところだった。
「うっお…っ!」
「キャッ!」
思った通り、今まで乗ってきたジェットコースターとは比べものにならないくらい、はるかに下りが急で長くて早かった。
風圧で息をするのも苦しい。
南を掴んでるてに力を込めた。
一瞬だったけど、南も握り返してくれたように感じた…。



