「・・・わりぃ」



小さく謝られる。




でも私の涙は止まるどころかどんどんあふれてきた。



私にとっては南が心配で、今までいいことだと思ってやってきたけど、南には迷惑でしかなかったんだ・・・。



それじゃ、南に嫌われても仕方ないよ・・・。



「南、今までごめんね・・・。
南には迷惑でしかなかったんだね。
これからは迷惑かけないようにがんばるから・・・」



嫌われても、しょうがない・・・。



けど・・・!



「南と一緒にいたい!
また三人で笑いあいたい!
三人で・・・卒業したいよ・・・」



「葵・・・」



「南・・・ダメ・・・かな・・・?」



涙で目の前はゆがんでよく見えなくなっていた。



「・・・・」



南からの返事はない。



やっぱりダメなんだ・・・。



そう思ったとき、勢いよく体に何か大きなものが当たった。



「・・・・?」



よくわからないで腕を動かそうとすると、動かなかった。



・・・これ、抱きしめられてる?



感覚でそう思った。



「葵・・・」



「南・・・」



耳元で南の声がした。



おそらく抱きしめてるのは南なんだろう・・・。




「・・・ごめん」



「え・・・」



やっぱり・・・。



「素直になれなくてごめん・・・。
泣かしてごめん・・・。
葵のお節介が迷惑なんていうのは嘘なんだ。
思ってもなかったことが勝手に出て・・・」



「・・・てことは・・・」



「反対なんだ。
俺、二人のお節介も、心配してくれるところも好きだ!
ごめん、俺の方こそ迷惑かけて・・・」



・・・つまり南は迷惑だったって思ってたわけじゃなかったんだ・・・。




よかった・・・。




「俺も、お前らとまたバカやって笑いあいたいし、卒業も一緒にしたい」



「南・・・」




ギュッと南が抱き締める力が強くなったような気がした。



「南、良かった。
良かったよ・・・」



私も南を抱き締めようとした時



「良かったな、葵。
南も、何当たり前なこと言ってるんだよ。
俺らはずっと一緒だ。
卒業だって一緒にするに決まってるだろ」



ギュッと葉月が私たちを抱き締めた。




「葉月・・・」



「ま、南が本気で迷惑って言ってたら俺本気で殴ってたけどな」



ハハハと軽く笑う葉月に南もハハハと苦笑いをして笑っていた。



まぁなにわともあれ、仲直りしたし、めでたし、めでたし?