失恋畑が広がった。


あたしが、
蒔いた種。

萌芽の季節に伸びてきて、


あたしの周りを、
埋め尽くす。


あたしは、

緑をかき分けて、

畑の中を、
歩いて行くわ。


そして、
耐えられないと思ったら、

畑の中に、
寝ころぼう。


毒は毒をもって制す。



秋に蒔いた
あたしの種は、

こんなに伸びて、
広がった。


いつかは、
こんな、

あたしの畑を、
作らなければならなかった。

それを教えてくれたのは、
幾つかの瞬間。

風は柔らかく、
雨は細い。

優しい季節。

君に似ている。


春はあたしに、
全てを、
感じさせてくれた。