「あ、あああの女が悪いんだ!!あの女が余計なことしやがるから!!!!」
「――やっぱ殺そう。隆、邪魔しないでください。」



僕は投げ出された拳銃を拾い上げようとした。

でも、さっき隆の後ろから顔を出した見知らぬ男が僕より先に銃を拾った。



「それ返してもらえますか?」



男は暢気に手にした銃を回している。



「復讐なんて虚しいだけだよ。」
「アナタには関係ないでしょう。」
「まぁ、そうなんだけどね。僕達も仕事だから。」



そう言って男は僕に銃を突きつけた。



「なるほど。僕を捕まえに来たんですね。」
「そーゆーこと。」
「僕は逃げる気はありません。あの男を殺したら、大人しく捕まるつもりです。」



罪の償いは必ずする。



「そっか…。だからわざわざ警察に連絡いれたのか。」


神木は一人納得したように頷いた。



「お願いですから、邪魔をしないでください。」
「嫌だなぁ。僕、人の邪魔するの大好きなんだよね。」
「だったらアナタも殺すまでです。」



男は笑った。



「無理でしょ。少しは状況考えたら?」



掴み掛かろうとした僕と男の間に割って入ったのは、意外にも神木翔一だった。



「翔一はそっちの味方なわけだ。」
「味方とかそんなんじゃねーけど。なんか俺、あのおっさん嫌いだ。」



神木は子山を指差した。



「詳しくは分かんねーけど、なんかムカついた。から、あんな奴のために創が犠牲になることはないと思う。」
「………良い所ではあるけど、厄介な所でもあるね。」




男は銃をおろした。




神木は僕に向き直る。