――めずらしいモノを拾った。 酷く高飛車な、けれどどこか不安げな目をしたモノだった。 目があった瞬間、何かに惹かれるように僕は立ち止まった。 そして声をかけていた。 「一緒に来る?」 それはゆっくり体を起こして、僕を睨んだ。 一瞬の間が、何時間にも感じられた。 睨み合いが終わったのは、それがふっと意識を失ったから。 僕はそれを抱えて、家に運んだ。 僕は今日――ヒトを拾った。 『泣いていたのは、僕だった。』