お風呂を上がって座ってると


明利がソファの隣に座ってきた




「星菜?」



「なに?
どうしたの?」




私は聞き返した




「星菜ってさ、
星菜の両親が生きてた頃アメリカに
住んでたって本当なの?」




「誰から聞いたの?」



私は落ち着いて、聞き直した




「いや、健斗くんが優磨くんと話してるの
聞いちゃって、」





明利は申し訳無さそうに言う





「そっか、
明利も紅茶飲む?」




頷いた、





「住んでたよ、
私の家は音楽家だったから、
でも、帰ってきたの私は音楽家には
なりたくなかったから、」




紅茶を出して、また座った






「なりたくなかったから帰ってきたの?」






「逃げたの、
ずっと、嫌だったから
毎月毎月おこずかいを貯めて、
チケット代を貯めて、お婆ちゃんに
お願いして、黙っててもらって」




一口飲んだ