どういうわけか呼び捨てもなかなか恥ずかしい気持ちになるけれど、夏芽ちゃんと呼ばれる方が私的に照れてしまうみたいだ。


それはなかなか呼ばれる機会がないからなんだと思う、けど…





「戻らなきゃ」





今日は忙しいとは言えないけれど忙しくないとも言えない状況。


ただ、サボれるくらいの余裕は断固してないと言える。


だから出来るだけ早く戻らなくちゃいけないんだけどね。


そう心の中では思っても…


真っ赤にしたままエレベーターに乗る勇気もないし、かと言って階段を上って行けばこれ以上顔が赤くなりそうな予感しかしなくて。





「本当情けな…」





こんな顔を誰にも見られたくない。


と、両手で顔を隠しながらはぁとため息を溢した――…