「あ、あの…」
キーボードを叩くのをやめ視線を上げるとおどおど俯いてる鴨島さんが後ろに立っていた。
「コ、……のか…がなくて」
小さく話すからなにを言ってるか分からない。
もう一番言ってくださいというと鴨島さんは顔を上げ、そのまますみませんと立ち去っていく。
一体鴨島さんは何を私に伝えたかったのかな?
「なにあれ」
「うわ、ビックリした」
いつの間にか私の背後に居たことみ。
「いつからいたの?」
「来たのは今。鴨島さんが逃げたのは私に気付いたからとか思った?」
少しだけほんの少しだけそう思ったのは内緒にしておこう。
だってことみ明らかに鴨島さんを嫌ってるんだもん。