「え、本当に!?」





給湯室に私の大声が響く。


給湯室でこんなに響いているとするなら、受話器の向こうにいる壱はどれくらい煩いんだろう?なんて考えも今の私にはなくて跳び跳ねたくなる気持ちをグッと我慢して言葉を待つ。





『本当だよ。前からそろそろかなって言われてたけど、今日検査をした結果正式に大丈夫って言われたよ』

「それでいつになるの?」

『明後日』





明後日、壱は退院する――





「壱の回復力はすごいね」

『先生もビックリしてたよ。これも夏芽ちゃんのお陰だね』

「私のお陰って言われても…。なにもしてないよ?」

『夏芽ちゃんの存在があったから俺の身体がそうなったんだよ。リハビリも夏芽ちゃんに会いたいと思う気持ちで』