もう一度床に膝をつけて横になる壱と同じ視線になると、壱は嬉しそうに微笑み私の頭をまた撫ではじめた。
「こんな状態じゃ今の仕事降板かな?ほんっと失格だなあ、俺って」
壱は本当に仕事大好きだね。
そんな壱に私は言わなくちゃいけないんだ…
「あのね…」
「うん」
「さっきマネージャーさんから電話あって」
‘マネージャー’という言葉に壱は私の頭を撫でる手がピタリと止まった。
でも、直ぐに手は動き始めて…
「それから?」
「本当か分からないけど壱と私の事が」
すべて聞き終わった壱はそっかと呟いただけで、何も言わなかった。
だから私も何も言えなかったんだ――…