「もうバカ…!」

「うん。夏芽ちゃんが関わると俺バカになるみたい」





ミラーにうつる私の顔はムスッとしていて、もし今知らない人と目があったらその人は、私がたった今婚姻届けを出してきた女だとは思わないはずだ。





「これからどうする?」

「……」

「夏芽ちゃーん」





そんなムスッとした私に対し苛立ちもないのか壱は至って普通で、寧ろ最高の笑顔でハンドルを握ってる。





「もうしない?」

「それは夏芽ちゃん次第かなぁ。さっきしたのだって、夏芽ちゃんがその気になったからしたんだよ?」





その言葉にカァっと自分の顔が赤くなっていくのが分かる。


だって、あれは…


あんなキスされたら誰だってトロントロンになっちゃうよ。