見てってなにを?


なんて思いながらアイドルの視線を目で追う。


アイドルの視線は自身の胸ポケットからはみ出ている茶色の封筒に向いていて。





「夏芽ちゃん。これ取って開けてくれる?」

「う、うん」

「それを見たらきっと俺が笑っている理由も…。幸せだって言った理由も分かると思うよ」





胸ポケットにゆっくり手を伸ばして封筒を取り出す。


一体何が入っているんだろう。





「これ親父がここから出てきた時にくれたんだよ」





おじさんが?





「どう?俺が幸せになった理由が分かったでしょ」





封筒から取り出した1枚の紙。


その1枚の紙に書かれていた文字に、私は目を大きく見開いた――…