「夏芽ちゃん夏芽ちゃん。髪型崩れてない?」
「大丈夫」
「夏芽ちゃん夏芽ちゃん。靴下かえた方がいいかな?」
車から出るなり私に色んな事を聞いてくるアイドルは子犬みたいで可愛くて、私の緊張が解れていく。
「夏芽ちゃん…?」
そして不思議がるアイドルの頭を精一杯背伸びして撫でていた。
「一緒にリラックスしよう。お父さんもお母さんも堅苦しい人じゃないから大丈夫」
ね?っと笑顔でそう言えば…
「夏芽ちゃん!」
「きゃっ」
カバっと私に抱き着いてきたアイドル。
一瞬バランスを崩しそうになったけど、なんとか耐えてアイドルの身体を受け止める。
ねぇ、少しは震え止まってきた?