親父はそんな俺を蔑んだ目で見るんだ。
そして笑って、さらに精神的に追い詰める。
汚いやり方だけど、誰も親父に文句を言わない。親父には権力があるから。
親父のおかげで生活出来ているのだから、もし逆らったらどん底の生活が待っていると目に見えている。


あの目が嫌い。
バカにしたような、見下したような。


…大嫌い。



「分かってるって。
もう学校行く時間だし切る。観光楽しんでこいよな。土産はマカダミアでいいから」



俺はまだ震える手で電源ボタンを強く押した。
その瞬間、一気に肩の力が抜けて、思いきりベッドへ横たわる。



「先生はなんて…?」



俺を見下ろしながら、富田は俺に聞く。

俺は目を閉じて、息をゆっくり吐いた。



「…あいつは俺の気にさわることしか言わねぇよ…」



それが特技なのだろう。きっと…ね。



「…そんなことありませんよ…。また迎えに参ります。それまでにご準備を…」



富田は俺に会釈をして、部屋から出て行った。