『泣かないで。 そうだ、この教会の伝説教えてあげる』 『伝説?』 泣きやんだあたしを見て、得意そうに、彼は笑った。 それは、王子様とお姫さまのお話。 とてもとても想い合っていたふたりが 離れ離れになってしまう、そんなお話だった。 永遠を誓う王子さまの話に あたしは夢中になったんだ。 そして、旅立つ王子。 それから幾年も過ぎて。 でも、お姫様は王子様が現れるのをあの教会で待ち続けた。 ずっと ずっと、ずーっと。