「……そんじゃあ、一緒にお祝いしてくれる?」


え?


キイって小さな音を立てて、さらに扉が開かれた。
あたしを招き入れるように、横に立って少しだけスペースを作る。


瞬間。

ふわりとほろ苦い煙草の匂いが、鼻をかすめた。


ドクンドクンって心臓が必死に血液を全身に送ってる。
そうでもしてないと、倒れてしまいそうだ。


……。





「……お邪魔します」





彼の誕生日。

この時間に部屋に上がる。

それがどういう事なのか。


胸がドキドキして、苦しくて。
うまく歩けるか、わからないけど。



それでもあたしは。、彼の部屋に足を踏み入れた。