引きづられるようにして、たどり着いた場所。
都心の真ん中。
にも関わらず、純日本家屋の超豪邸の前で、タクシーは停まった。
ひゃああ
……すんごいお屋敷。
芸能人お宅拝見、でもなかなかここまでの物を見たことない。
竹で出来た高い塀で覆われていて、その全貌をここから確認はできない。
その向こうに瓦屋根が見えるけど、膨大な屋根の一角って事は、安易に予想できた。
ポカンと口をあけたまま、呆気にとられる。
「あの……ここ…………」
「実家」
あたしの言葉にかぶせるように言って、千秋はさっさと歩き出した。
へえ。
そうなんだ……
えっ!!?
じっじじ、実家っ!?
てことは、この超豪邸……千秋の家っ!!?
「うそおおおお!」
「…………」
いつまでもその場にとどまっているあたしを見て、じれったそうに目を細める千秋。
だけどこれを驚かずにいろって方が、無理だからっ!
動けない……。
びっくりしすぎて、固まっちゃった……。
「……ったく。しょうがねえなぁ」
そんな声がしたかと思うと、また手首をガッと掴まれた。
そしてそのまま、躊躇なく敷地の中へ。
「時間ないから、マジで早くして」
「えっ、時間? 時間って……どうするの?」
足早に歩く千秋の横に並んで、肩越しにその顔を見上げた。
ちらっとあたしに視線を落とした千秋が口を開きかけたその時だった。
お屋敷の玄関から、ひとりの男の人が姿を現した。



