孤高の魚



「そう、そうなの。そうゆう事なら、いいわよ、七海ちゃん。今日からウチで働きなさい。ね、そうしましょう。ここに居れば歩太くんのこと、何かわかるかもしれないわ」


ママは突然思い付いたように、そう言って彼女に向き直る。


「ほ、本当ですか!?」


そう言って野中七海は、更に顔を上気させている。
やっと落ち着いていた頬の色が、またほんのりとピンク色に染まっていた。


「ええ、もちろんいいわよ。ねえ、歩夢?」


突然、そうママに振られて、

「は……はあ……」

と、僕は情けない返事を返してしまった。


「もう。あなたがしっかり彼女をサポートしてあげなきゃ駄目なのよ。今日から一緒に暮らすんでしょう? ……そうね、夜道は危ないから、歩夢と同じ日に出勤にしましょう。歩夢にボディーガードを頼むのよ。ちょっと頼りないけどね。ウフフフ」