それから続けて呟かれる、彼女の言葉。
………
「今日は……本当に、本当によく晴れていたのに」
その言葉は、僕にはすぐに、例の手紙の事を連想させた。
……やはり、この華奢で可愛らしい目の前の彼女は、野中七海ではないだろうか……。
そんな予感は密かに僕の胸の中に、どんどん音も立てずに膨れ上がっていく。
………
しばらくして、二人の沈黙を破るようにしてさくらのママが出勤してきた。
「おはよう。……あら、まあ、かわいらしいお嬢さんね」
僕に適当な挨拶をし、大きな鞄をカウンターに置きながら、ママはカウンターの端に座る彼女を見て笑いかけた。

