食事を済ませてから、僕達はアーケードの中をブラブラと歩いた。
僕自身、仙台を訪れるのは本当に久しぶりだったし、野中七海もまた、この街の空気に慣れる事が必要であるように思えた。
街は慌ただしかった。
店先で赤い法被を来た男達が、大声を張り上げている所もある。
……初売り、福袋。
赤と白の垂れ幕。
いつもより賑やかしいはずのこの街からも、僕達は取り残されている。
僕達はいつでも、どこでも、まるで迷子のようにさ迷う。
前を歩く人の足が、煩わしく感じるほどの人波。
その流れに身を任せながら、けれども決して交わらないようにして歩く。

