孤高の魚





「そうしたらパパ、わたしに沢山のお金を持たせて、二人を探し出すようにって、わたしを家から追い出したの。
わたし、まだ15だったのよ?
今思えば、ひどい話よね。
パパは、わたしなんか、どこかでのたれ死んでしまったって、しょうがないって、そう、思っていたのかもしれないわ。
ママはただ、メソメソするばっかりで、ちっとも頼りにならなかったし」


彼女の瞳の奥には、怒りに近い感情が見え隠れし始めていた。

僕は、彼女の煙草を吸う単純な作業を見届けながら、ただ耳を傾ける。