「ほら、あそこの席」
翌週の日曜日に、そのファミレスへ行ってみると、
二人は、いた。
涼が指差したテーブルには、とても勉強しているとは思えない
普通にデートしているかのような雰囲気の、拓也と女子がいた。
「仲良さそう」
私がムスッとしていたときに、オーダーが来た。
ドリンクバーのみ、という涼に対し、私は
「パンケーキとチョコレートサンデーと、ドリンクバー!!」
「やけ食いか」
「そんなんじゃないけどっ」
「奢らねぇぞ」
「いいよっわかってるよっ」
「八つ当たりすんなよ〜。親切についてきてやったのによ〜」
「……ごめん」
「まぁ、今日はいいよ。怒りのぶつけ方、それしかねぇもんな。食え、食え!好きなだけ食え!」
「食べるのは、もういいから、コーヒー持ってきて」
「あいよ」
思えばこの頃から、涼は気が利くヤツだった。
それにひきかえ……。
と、私は拓也を睨みつけた。向こうは私達に全然気付いていない。
ニコニコしちゃって、
ムカつくムカつくムカつく。
そして、
悲しい悲しい悲しい!!
「あいつ、なんか変わったよな」
涼がコーヒーを二つ持ってきたと同時に
パンケーキとサンデーも到着。
「うん……」
拓也は、まず見た目がかなり変わっていた。
真っ黒ストレートだった髪が、うす茶色でゆるいパーマヘアになっている。
それがまた、もともと外人的な風貌だった拓也には似合っているのだ。
「あれってパーマだよな。くせっ毛っぽくうまくかかってんな〜。あれ、いつまで持つんかな…………」
