「離婚したんだってな」 「ああ。俺が悪いんだ。相変わらず、俺はバカだから」 と健二は、自分の頬をパチパチ叩いた。 よく陸上のスタートの時に、健二がやっていたっけ。 「まぁ、また出会いもあるだろう。あきらめんなよ。家族ってやっぱりいいもんだから」 「そうだな。次は失敗しないように大事にするよ」 キャバクラに来たことは、不本意だけど、健二と腹を割って話せたことは良かった。 ここだから話せたのかもしれない。