白いジャージ9 ~最終章~






「どこ行くんだぁ?」




「どこでもいいだろ?新垣」







少し不安になりながら、俺は夜の街を歩いた。







「ここ?」




「ああ。かわいい子いっぱいいるんだ」




「キャバクラなんて聞いてないんだけど」





困惑する俺に


「まあ、いいじゃん」



と健二は言った。






男子部員だけじゃなく、女子も数人一緒にいた。




だから、俺は少し安心した。



なんだろう。



直に説明する時に、“女子部員も一緒だった”と言えるからだろうか。







そんなことを考えているうちに、俺はキャバクラの中に足を踏み入れていた。





地下だったので、圏外になるんじゃないかと思って、慌てて直に電話をかけた。







「あれ?おかしいな」





電波が悪いのか、直の声が聞こえなかった。




プププと変な音がする。






「楽しもうぜ、新垣!」





「仕方ねぇなぁ・・・・・・でも、すぐ帰るぞ」