「どこ行くんだぁ?」
「どこでもいいだろ?新垣」
少し不安になりながら、俺は夜の街を歩いた。
「ここ?」
「ああ。かわいい子いっぱいいるんだ」
「キャバクラなんて聞いてないんだけど」
困惑する俺に
「まあ、いいじゃん」
と健二は言った。
男子部員だけじゃなく、女子も数人一緒にいた。
だから、俺は少し安心した。
なんだろう。
直に説明する時に、“女子部員も一緒だった”と言えるからだろうか。
そんなことを考えているうちに、俺はキャバクラの中に足を踏み入れていた。
地下だったので、圏外になるんじゃないかと思って、慌てて直に電話をかけた。
「あれ?おかしいな」
電波が悪いのか、直の声が聞こえなかった。
プププと変な音がする。
「楽しもうぜ、新垣!」
「仕方ねぇなぁ・・・・・・でも、すぐ帰るぞ」

