「じゃ~、腹もいっぱいになったし、次行くか?」
幹事は、副部長だった健二。
「おい、部長!仕切ってくれよ」
健二が俺に声をかける。
俺は、陸上部の部長だった。
そんなことも忘れてしまっていたが。
「やだよ。俺、幹事じゃないもん」
「でも、新垣には最後まで付き合ってもらうからな」
健二に肩を抱かれて店を出た。
「お前達に最後まで付き合うと大変なことになるだろぉ??」
健二は、大学時代から夜遊びが好きだった。
よくケンカもした。
大会前なのに、お酒を飲み過ぎて、俺と殴り合いのケンカをしたことがあったっけ。
健二と会って、あの頃のことを話したかった。
本音でぶつかったことがなかったような気がする。