「どした?」
「あれ?どうしちゃったんだろ」
「泣いてるけど、顔は笑ってたぞ?」
「へへ。おばあちゃんとお話してたんだぁ」
私がそう言うと、先生は空を見上げた。
そして、ゆっくりと流れていく雲に向かって言った。
「おじいちゃん、おばあちゃん。直のことは俺が幸せにしますんで安心してください!」
先生は私の頬の涙を手で拭ってから、私の手を握った。
そして、また雲に向かって・・・・・・
「俺と直の赤ちゃん!忘れ物、見つかったかぁ?早く会いたいからそろそろ帰っておいで」
涙目の先生と目を合わせて、にっこり笑った。
忘れ物をした私達の赤ちゃんは、きっと空から私達を見ているね。
そろそろ行こうかなぁ?
どうしようかなぁ?
そんなことを考えているような雲が浮かんでいた。
小さな雲が、ほわほわ雲の横にくっついていた。

