「あれ??大竹かぁ??」
振り返った先生が、その女性を見て言った。
何も説明されていないのに、私の頭の中ではその女性と先生の関係が出来上がってしまっている。
高校時代の同級生か何かで。
昔、先生のことが好きだった女の人。
私の悪い癖……
「久しぶりだな。全然変わってないな」
「新垣君もそのままだね~!あ、彼女?」
その女性はとても気さくな感じで、優しい笑顔で私に視線を向けた。
「あ、俺結婚したんだよ。聞いてない?」
先生は私の背中に手を回し、私を紹介してくれた。
「かわいい奥さん~!若いんじゃない?」
私はペコペコと頭を下げた。
「大学の陸上部で同じだったんだよ。何年ぶりだろうな」
「大学時代の?」
私は、先生とその女性のことを疑ってしまった自分を恥ずかしく思った。