「明日、晴れるといいけどな」
「絶対晴れる!!てるてる坊主作ったもん」
「あれだけ作れば、晴れるだろ」
「滝、綺麗に見えるといいなぁ」
明日は先生と滝を見に行くことにした。
海も行きたかったけど、夏の山も涼しくて気持ち良さそうだった。
それに、まだ一度も先生と山に行ったことがなかった。
ふたりで山を登るってどんな感じなんだろう。
山登りと人生は似ているって聞いたことがある。
明日、きっとまた惚れ直しちゃうんだろうな、私。
「ニヤついてるけど、大丈夫か?」
信号で停まった先生は、左手を私のおでこに当てた。
「うふふふ~」
「何だよ、その笑顔。かわいい~」
「楽しみなの。みんなで旅行嬉しいね」
私は、おでこに当てられた手を自分の両手で包み込んだ。
大好きな大きな手。