「今日、俺の子供が生まれるかもしれない。それを応援する気持ちで、みんなは自分のご両親に感謝の気持ちを伝えて欲しい。口に出せなくでもいい。心で想うだけでもいい。今自分がここにいるのは、お父さんとお母さんがいたから。必死で産んで、必死で育ててくれたから。そのことを今日はしっかりと考えて欲しい」






誰も俺から目をそらさなかった。








伝わってる。







そう感じる。









「俺も初めてだから緊張してるし、不安もある。ちゃんと妻を支えてやれるかわからないけど、そばにいてやりたいと思う。そして、生まれてきた赤ちゃんをしっかり抱っこしたい。ちゃんとみんなには報告するから、また聞いてください」







誰からともなく拍手が起こった。




俺は深く頭を下げて、ホームルームを終えた。