「空、すごく綺麗だぁ~」
薄いブルーの空に、絵具でスーっと線を引いたような雲。
「そうだな。この空は、なかなかないよ」
「うん!!最高~!!」
私と先生を繋いでくれていたのは空だった。
いつも、空を見上げて先生を想った。
夜になると空には月が出る。
月もまた私達をいつも見守ってくれていた。
芝生にゴロンと寝転んだ。
「あ~、気持ちいい~」
私は、深呼吸をした。
「幸せすぎてどうしよう、俺」
先生も寝転ぶ。
「今、お腹の赤ちゃんもぐにょぐにょ動いてるよ」
「お、触っていい?」
先生は、赤ちゃんの左足の辺りに触れた。
「今、蹴ったぞ?俺の手を蹴った!!」
感動する先生。
私の手も毎晩蹴ってくれるんだぁ。
ツンツンって突っつくと、時々返事をしてくれる。
蹴り返してくれるんだよ。
赤ちゃんってすごい。