「豪太、本当にありがとう!」



ビールを一気飲みする豪太にお礼を言った。





「頑張りすぎんなよ。お前はそのままでいいんだから」



とまた素敵な言葉をくれた。






最後に、沙織から大きな花束が渡された。



ピンクとオレンジ色の綺麗な花束だった。






「退職祝いってことで」



サラリと


そう言って、大野さんが私に封筒を渡してくれた。






「何ですか?」



「旦那さんとふたりで旅行でも行って来いよ」




大野さんは、照れくさそうな顔をした。





「みんなからの気持ちだから。出産したら今度は赤ちゃんのために何か送るからさ」





真由美さんが私の肩を抱いて、封筒を私のかばんの中へ入れた。





「旅行券だから。なかなか二人きりで旅行も行けなくなるだろうから」





と大野さんは優しく微笑んだ。





ありがとう。



みんな、本当にありがとう。





「ありがとうございます。旅行行ってきますね」