「では、最後に直ちゃんから一言頂きます」






私が立ち上がろうとすると、豪太が



「座ったままでいいって」



と腕を掴んでくれた。







「今までお世話になりました。何もわからないまま社会人になって、本当に迷惑をかけてしまったと思います。電話の対応もできなかったし、パソコンも下手だったのに、いつも親切に教えてくれてありがとうございました」



真由美さんと目が合って、泣きそうになる。




「この会社に入ってから結婚し、妊娠しました。いつか、また子供を連れて遊びに来ます。今まで・・・・・・ありがとうございました。みんなのことが大好きです」










挨拶なんて考えていなかった。



なのに、スラスラと言えた。




先生がどこからか、力を貸してくれたんじゃないかな?と思った。