白いジャージ9 ~最終章~






「ブロッコリー食え」





私のお皿にブロッコリーを乗せてくれた豪太。





「あ、うん。ありがとう」




「ブロッコリーは体に良いんだから」





ぶっきらぼうにそう言った豪太。






私は、豪太に特別な感情を抱いた。




会いたい、話したい、知りたいと思ったこともある。





それを“浮気”だとするなら、私は浮気をしたことになる。





要君や大野さんへの気持ちとはやっぱり違っていた。





オレンジジュースを飲みながら、そんなことを考える。




豪太のごつっとした手を見つめる。



豪太のお酒を飲んだ後の“ハァ~”って声に耳を傾けてしまう。



豪太、

豪太、豪太。










最後だと思うと、豪太のいろんな部分を観察してしまう。







今は好きじゃない。




過去も、好きだったわけじゃない。




少し、ドキドキしただけ。