私が主役だからと一番奥の席に座らせてくれた。
「隣、豪太な!」
大野さんは、豪太を名指しして・・・・・・
「俺っすか?」
と豪太は、頭をぽりぽりかいた。
大野さんは、何か知っているのかな。
私と豪太のこと。
「で、こっちの隣は沙織だな」
大野さんは、沙織の腕を掴んで引っ張る。
「やったぁ~!直の隣だ」
完全個室の居酒屋。
沙織が作ってくれた“直おつかれさま”と書かれたタオルを壁にくっつけた。
「じゃあ、今日は無礼講で!!直ちゃんと直ちゃんの赤ちゃんの幸せを願って、乾杯!!」
みんなでグラスを合わせる。
気を遣って、タバコを控えてくれる先輩。
私の為に、自然派食材にこだわったお店を選んでくれた真由美さん。
みんなあったかい。

