店の前に着いた。
「ここだから」
と大野さんが手をあげた。
そして、みんなが店に入っていく。
「なぁ、沙織のことこれからも頼むな?」
店に入る前に大野さんが話しかけてきた。
「はい、もちろん」
「俺が幸せにするから、安心して」
大野さんは、耳元でそう言って、親指を立てて笑った。
「え?どういう意味ですか?」
もしかして、結婚するってこと?
「ふふ。まぁ、いつかちゃんと幸せにするからさ」
私の周りの人達がみんな幸せになっていく。
そのことが本当に嬉しかった。
ねぇ、赤ちゃん。
この人達、私の大事な人なんだ。
ママが働いていた会社の素敵な仲間なんだ。
いつか、ちゃんと紹介するね。

