「今日で終わりにしようと思って。さっき先生にも報告したんだ」




「え?何を?」




「来年、結婚するんだ!私」





荒木さんはにっこりと微笑んで、左手の薬指を私に見せた。



キラキラ輝く指輪。





「結婚・・・・・・?そうなの?おめでとう!!」




おめでとう、でいいんだよね?



荒木さんは前に進んだってことだもんね。






「ありがとう。結婚が決まっても、やっぱり先生のことを心のどこかで想っていたんだよね。だから、今日自分の気持ちにケリをつけたくて、会いに来た」





やっぱりそうだったんだ。






「まぁ、ねぇ・・・・・・ あんなにかっこいい先生見ちゃうとまた好きになっちゃいそうだけどね。ははは」





荒木さんはそう言って、目を閉じた。



そして、




「でも、なんだかスッキリした。私が好きだった人はこんなにかっこいいんだ!!って思えたの。自信になった。好きになった良かったって思えたの」





荒木さんは幸せそうな顔をしていた。



心からそう思えたんだと伝わってくる。




私も、荒木さんの立場だったらそう思えたかな。



また好きになっちゃうかもしれない。