白いジャージ9 ~最終章~









「でも、ずっと大事に思っているからって和人は言ってくれた。あなたも同じように思ってくれているってことも聞いて、本当に嬉しかった」





「もう、七緒ちゃんには会えないんですね」






寂しいと思った。




なんだろう。


この気持ち。







「そんな風に言ってくれるなんて、あなたは変わった人ね。普通なら、私や七緒をうらんでもいいのに」






遠い目をした江美さんは、ゆっくりとうなづいた。







「そうね。そういう人だから、和人が好きになったのね。うん。そういうことか」






私は何も言えないまま、江美さんの横顔を見つめていた。




綱引きの応援の声が遠くから聞こえる。