「和人から、あなたの話を聞いてからずっと、会いたいと思っていたの。謝りたいって。和人を傷付けて、それなのにまた頼ったり、連絡を取ったりして、あなたに迷惑をかけていたんだなって」
江美さんは、体育祭の綱引きを見ながら、話していた。
私も綱引きを見ながら、時々江美さんの横顔を見た。
綺麗な人だな、なんて思ったりして。
「和人とはもう会うことはないから安心してね。体育祭の話を聞いた時に話し合ったの。七緒が会いたいと言えば会うけど、もう会わないことにするってね。誰が父親かわからない子供を生んでしまった私が悪かった。今の夫にそっくりになってきたの。だから、きっと和人の子供じゃない。それなのに、長い間苦しめてしまった」
やっぱりそうなんだ。
嬉しい、という感情はなかった。
七緒ちゃんへの先生の想いを知っているから、複雑。
