白いジャージ9 ~最終章~







「少しお時間いいかしら?」





先生の元彼女は、そう言って、近くにいた男性に七緒ちゃんを預けた。





今のパパ、だよね。



軽く会釈をしたその男性も、感じが良かった。






江美という名前なんだと知った。



私と江美さんは、少し歩いて、階段に座った。







「なんだか変な感じだけど、初めまして」





そう言って、江美さんは私の目をじっと見た。






「初めまして」





私は、その目力に圧倒されちゃいそうで、目をそらしてしまった。






「ごめんなさい。あなたに辛い想いをたくさんさせてしまって」





「いいえ!!全然、そんなことないです」






今度はしっかりと江美さんの目を見て返事をした。