「少しお時間いいかしら?」
先生の元彼女は、そう言って、近くにいた男性に七緒ちゃんを預けた。
今のパパ、だよね。
軽く会釈をしたその男性も、感じが良かった。
江美という名前なんだと知った。
私と江美さんは、少し歩いて、階段に座った。
「なんだか変な感じだけど、初めまして」
そう言って、江美さんは私の目をじっと見た。
「初めまして」
私は、その目力に圧倒されちゃいそうで、目をそらしてしまった。
「ごめんなさい。あなたに辛い想いをたくさんさせてしまって」
「いいえ!!全然、そんなことないです」
今度はしっかりと江美さんの目を見て返事をした。

