さっきは遠くに見えた人影もあたしがズンズンと近づくおかげてだんだんと姿形も明確になってきた …男、だな。 それもド派手な赤髪… 逃すにも逃せないっての もう、声も届く距離まできた …よし。 「まっ、まって!」 「……」 「ねぇ!まってって聞こえてるでしょ!君だよ君!!」 「……んだよ、」 やっとのことで振り返った赤髪はダルそうにあたしを見て……少しだけ目を見開いた