大地主と大魔女の娘




 登った倍の時間を掛けて、階段を下り切った。

 いつものように、地主様たちからは見下ろされる位置に戻った。

 おかみさんとルボルグ君に改めて御礼を言う。

「ありがとうございます」

「元気でね。また必ず遊びにおいでよ」

「……。」

 ルボルグ君はただ強く手を握ったまま、離そうとはしない。

 私も何だか離れ難くて、ぎゅっと握り返した。

 ルボルグ君は目を見開いて、それから顔を真っ赤にして俯いてしまった。

「エイメリィ様。それではお先に失礼します」

 遠慮がちに声をかけられて振り返る。

 そういえば、エルさんは先に帰ってしまうの?


 できればエルさんには行って欲しくなかった。

 行かないでと眼差しで縋ったが、エルさんは困ったように微笑むと行ってしまった。


 ―――行ってしまった。

 その背を見送り、絶望的な状況だと思った。

 地主様と二人切り。


 泣き出さない自信がなかった。