大地主と大魔女の娘



 
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 あたたかい。


 静かだ。


 とても。


 静かだ。


「 起 き て 」


「 ね え 、 起 き て 下 さ い 、 レ オ ナ ル 」


 再びまどろみかけたその時、優しく名を呼ばれた気がした。

 心までをくすぐるような愛しい響きに、頬が緩む。

 そっと目をあけると、眩しい程に白いベール姿のレユーナの姿が飛び込んできた。

 彼女の手に引かれるまま、身を起こす。


 美しい少女が、俺だけに見せる笑顔で、にっこりと笑ってくれるものだから見蕩れた。


「これを受け取ってくださいますか? 私の気持ちです」


 そうして差し出されたそれは、赤い石の腕輪。


 石屋の娘と楽しそうにこしらえていた。

 ああ。

 誰にやるのかと本当は気が気では無かった。


 そうか。

 今日は祭りの日か。

 だから、美しく着飾っているのか。

 花嫁さながらの装いに見蕩れた。


「もちろんだ。ありがとう」


 腕にはめるとしっくりと馴染む。

 溢れる喜びのまま、腕輪に口付けてから、レユーナの額にも口付けた。

 少女がくすっぐたそうに笑う。


「行きましょう、レオナル。みんな待っています。お祭りが始まってしまいますわ」