「今晩は地主様は遅くなるから、夕食はいらないそうだよ」
「そうかい。伝えておくよ。何だい、地主様は夜のお仕事のために、町にでも繰り出すのかい?」
「およしよ! 全く! 地主様の事をそんな風に言うもんじゃないよ」
「なんでぇ。地主様だって立派な男だ。いっくら澄ましていようとも、時には必要なはずだぜ。オンナがさ。せっかく手に入れた大魔女の娘っ子じゃあ、まだまだ相手は務まらないだろうしなぁ……って! 痛ぇ! ぶつなよ!」
「お黙り!!」
地主様のお屋敷で、そんな話しを聞いてしまった事がある。
でも今にして思えばそれは、少しだけわざと大きな声で言われていたのかもしれない。
私の耳にも届くように。
地主様も男の人。
だから女の人が必要な事がある、という事だろう。
きっと、私はそういうものの対象としてはあまりにも子供すぎて、不向きなのだという事を言われていたのだと察した。
当然だと思う。
たいして魔女の力も発揮できず、だからといって地主様を慰める事も出来ない。
何のためにここに居るのだと問われていたのだ。
私は足りない税金の分、役に立たなければならないのだから。
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だったら私も乙女にならって、自分自身の血肉を差し出そう――。
