大地主と大魔女の娘



 今日も朝から色々と、世話を焼いてくれるお姉さんに訊いて見た。


「なぜ、私なんかに優しくしてくれるの?」

「まあ! そんな事、当たりまえですわ」

「どうして?」

「どうしてって。理由などありませんよ。それともお嬢さんは打算をお考えですか」

「打算?」

「この人と付き合うと損か得かを考えますか?」

「いいえ」

「そうですねぇ。しいて言えば人間だからだと思いますよ。そこに困っている人がいたら、誰だって手を差し伸べたいと思うものですわ」

「誰でも?」

「はい。そうですよ」

「私の事、面倒だって言ったあの人も?」

「あの時のアレは……あの方ときたらもう! そんな言い方しか出来ないんですからね。それは、」


 そこで彼女は誰もいないはずの部屋を見渡すと、声を落としてこう囁いた。

 ――それは真逆の意味ですわ。言葉通りに受け取られませぬよう。

 意味が解らなかった。

 魔女にとっての言葉は発されたそのままの意味、すなわち力を持つのだ。